子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

奨学金未返済問題でいつも思うこと

はてなブログを読んでいたら、このエントリーに出会いました。

 

www.sekaihaasobiba.com

それにこんなエントリーもありました。

www.landerblue.co.jp

私の周囲には奨学金で大学を通っている友だちが何人もいました。むしろ「え?MaMiは奨学金ないの?親に感謝しなよ」と言われました。まったくそのとおりです。心から感謝。

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それに、一番身近な人である私の夫も奨学金を受けて大学に通いました。彼の場合、15歳にして勤労学生だったので本当に「苦学生」だったと思います。

そして、夫を見ていると「滞納者」になるのも、きちんと返済できるのも本当に紙一重だと感じて、一概に「バカだ、あほだ、運が悪い」みたいなことは言いたくもないし言えないと感じます。

夫の場合、高校は普通科に行かせてもらえず夜間学校に通いましたが、その授業料は昼間働いて出して、何とか大学へ行く(高卒)足がかりを得て大学へ。

当然、大学も奨学金、途中で編入を受けて4年制のさらにレベルの高い大学へ転入してもちろんそれも奨学金を使いました。

 

その後、さらに勉強がしたくて海外の大学院へ行きましたが、それはあしながおばさんみたいなものすごい慈悲深いクリスチャンの方が出してくださいました。

 

帰国後、就職が難しかったのは専門としている分野が日本では仕事としてはあまりいきにくいというのと、ほかの大学新卒よりも当然、年は上だったもので「その年で社会経験ないの?」というつれない扱いでした。

なんとしゅうかつに1年近くもかかりました。

 

結局友だちが立ち上げた会社にジョインする形で夫は月給15万円の仕事から始めました。そこがつぶれて、次の会社に移った頃に私と出会いました。

その後、その会社が震災後に東北支援で仙台へ夫を送ろうとしたのですが、夫は東京を離れるつもりがなく結局退職を迫られました。

 

そこから数ヶ月、転職に苦労し、いつもいつも奨学金返済のことを気にしていました。

その後、ものすごいやさしい人事の人がいるある企業に就職ができて、やっと一般企業に給与は低いけどまともな仕事にありつけるようになって、今はもう少しよい会社に移って何とか働いています。

 

今でこそ、奨学金の月々の返済には困らなくなりましたが、夫を見ていると「とりあえず大学にでもいこうか」とか「奨学金は返済しないでも何とかなる」なんて思ったことは一度もなくとてもマジメに返済しようとしているんだということが伝わります。

 

「未来の自分からの借金なんだ。だから返さないといけない。だから贅沢できない」とよく言っています。

 

世の中にはいろんな人がいて、奨学金を返さない人もいるだろうし返す人もいるだろうと思いますが、未納の人の多くは経済の負のスパイラルにはいっていることが多いのではないかと思います。

 

夫も含め、非常な貧困家庭で育っても奨学金によって大学へ行く「チャンス」は与えられました。でも、さらに就職となると厳しい門が待っています。

夫の話を聞いていると、そういう社会の「現実的厳しさ」を親から教えられていないようです。

 

私は娘にどこまで経済的サポートができるか分からないですが、大学に行くだけのお金は用意しておいてあげたいと思うし、社会の現実も、現実として認識できるようなアドバイスをしてあげたいなと思います。

ちなみに夫が借りた額からすると、返済にはあと20-30年かかるって。本気?まとめて返さないの??とおもいますが、いろいろプランしてベストな月々の返済額のようです。