子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

人生のターニングポイント

今週のお題が「思い出の先生」ということで、書いてみます。先生といえば、中学時代の恩師、K先生です。

クール&ビューティみたいな人で、他の先生とは少し違って、なんというか、凛としている人でした。

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最初にインパクトがあったのは、中学1年の朝の礼拝でした。ミッションスクールだったので毎朝礼拝があったのですが、その日、メッセージの当番だった先生は、壇上に上がるなり、聖書の箇所を一節読んで、

「人生には良い時もあればとても悪い時もある。人は生きていく上で聖書のように生きられず、神様の願いとは違う選択をしてしまうこともある。それでも、神様はそのことも含め今のあなたを愛している」というようなメッセージの後、泣きそうな雰囲気で祈り始めました。

 

いつもより短く、どのメッセージよりも深く心を込めて話していました。

中学生だった私は、これまで大人がこんなにも熱く心を揺さぶられる様子で話すのを見たことがなかったので、それはそれは強烈なインパクトでした。

 

中学2年になると、K先生が担任になりました。

日々の生活の中でも、すごく合理的でシンプルな考えの先生が大好きで、注意されても「そうだな」と思うことばかり。

たとえば、移動教室の時、始業のベルが鳴って廊下を歩いてると「走って行きなさい」とか。

廊下は走るなという建前は、絶対のものではないんだということを大人の側が言ってくれたことは新鮮でした。

 

夕方の会でも、一言でぱしっと明確に言うべきことを話してくれてすごくかっこいい先生でした。

部活に早く行きたくて急いでる様子なども察知してくれてフレキシブルに対応してくれたり。

先生は社会科の先生で歴史や公民を教えてくれました。記述問題が得意なことも褒めてくれて最初に自信を与えてくれたのが先生でした。

たとえば、公民の時間に習った選挙の話。

憲法では、教育、納税、勤労が国民の義務だから、あなたたちは大人になった時にそれを守る義務が日本に対してあるのよ。その代わりに、あなたたちは、日本の法律や行政の方針を決める政府の政治家を選ぶ権利、立候補する権利があるのよ。

最高裁の裁判官を信任するかどうかも選挙で国民が直接、決められるのよ。判事さんたちの関わった裁判の判例が、必ず新聞に出るからちゃんと読んで信任しないといけないのよ。

無責任な信任や投票は、この国の将来を危うくするのよ。権利の行使というのは、とてもとても大事なことなのよ」

というような話をしてくれました。

 

それがあって、一度も投票を棄権したことはないし、最高裁判事を信任するかどうかも一応、チェックしておかしな判決をしている裁判官は不信任にしています。

 

一市民の地味な投票行為ですが、これは絶対に大事なんだということを教えられたおかげで、社会問題に関心が高い人間になりました。

今でも憧れの先生ですが、親しくやりとりする感じではなくそっと遠くから憧れてる感じです(照)

 

ちなみに、中1の時の短く、深いメッセージをしてくださった時、先生は旦那さんと離婚する時期だったようで非常につらいところを歩いていたようです。

仕事って、そういうプライベートなことと関係なく押しよせてきますよね。

 

大人になって先生の強さがもっとわかるようになりました。

教師という仕事に使命を持って取り組んでいることも、働く一人の女性としてかっこいいなと思います。