この間、父と早死にについて話していました。事の発端は、父が以前の会社の同僚とゴルフに行くっていう話からでした。
定年から10年以上経っても仲良しこよしで微笑ましい限りです。
でも、みんな元気なのかしら。
私:「寿命が短い人が多いと聞くけど」と聞くと、
父:「そうだね。◯さんも昨年亡くなったな。先輩でお世話になったんだ。あと△さんも。僕より若いんだよ。」と、次々に話してくれました。
一緒に働いた仲間を見送るってどんな気分だろう。私には想像もつきません。
大手の広告代理店営業マンだった父、ドンピシャだな、このランキングにうそがなかったなと思います。
でも、「売るストレス」「売れないストレス」的なことや労働時間の長さ、酷使といったわかりやすいことが理由ではないようです。
なんで、早死にが多いの?と聞いたら真面目な答えが返ってきました。
- 管理職になると見なくてはいけないプロジェクトが増える
(平社員なら自分の案件だけだけど、管理する立場では複数のプロジェクトチームを管理するから) - 昔の後輩から相談を受けることもある
- 今の部下から相談を受けることもある
- もっとやってあげたい気持ちから、つい、人間ドックなどが後回しになる
- 勉強もしなくちゃといろいろ勉強する
こういったところが実情のようです。
私のいる会社は大手でもない、面倒見の良い上司も今はいない会社なので想像の域ではありますが、大手広告代理店で早死にする人の実態について父の言葉には真実味がありました。
「できる人ほど、信頼されるし相談されて、なんとか一緒に解決してあげたいって思うといろいろ後回しになるんだよ。」
父は何人もそういう同僚を、先輩を、後輩を見てきたと思います。毎年、毎年お葬式に行ってるし、事実50-60代で亡くなる人も多い会社だと思います。
ワークライフバランスが悪いのだと思います。
過労、ストレスによる病気もあると思います。
なので、父のあげた理由を美化するつもりはありません。
こうしたらいいということは、外的環境については提案できそうですが、「もうちょっとがんばろう」みたいな気持ちということを削ぐことはしにくいなと思いました。
頼られたら、期待に応えてあげようって思う。
部下に育って欲しいと思って、仕事以外でも付き合う。
こういった態度は昭和のサラリーマンと言われればそれまでですが、自分の20代を振り返ってもそういう上司に励まされ、指導されて今の自分がおり、本当に感謝しています。
自分のせいで終われなかった仕事なのに残業に付き合ってくれたり、失敗続きの中、ランチに誘い出してくれたり。
当時、時短で働いていた先輩にはランチの1時間も惜しかったはずなのに。
多くの場合、そういう人間関係の中で社会人として育てられていくと思うし、広告代理店で案件も「オリンピック」とか「デパート」とかざっくり大きすぎるものも扱う会社だと、誰でもわかるものでもないし、どうしてもできる先輩に頼るっていうことはあるでしょう。
じゃあ、研修をしっかりやればいいかといったらそういう問題でもなく、どんなに座学で学んでもわからない問題にぶつかって誰かに教わりたい時があるだろうし、早死にと職業の問題って根深いなと思いました。
今の会社の上司は「会社で残業して仕事してるつもりになってるバカ」とか「オフィスなんてなくていい」とか豪語していますが、仕事にもいろいろあって、人にはもっと個別の事情があるんだよと思います。
幸いなことに、父は出世を避けて通り(のんびりしてるからかな)、定年を全うした後、今も元気でフルタイムで働いています。
年取って、毎年誕生日のたびに元気でいてくれることを感謝します。
後輩の面倒を見たり、仕事も一生懸命やったうえで、早死ににならないような休み方とか医療機関との連携とか予防ケアとかが広がるといいのでしょうね。
単に、定時に帰ること=健康だぜ、だけではないと思います。それもありかもしれないけども…。
satisfactionみたいなものが心身ともにあるといいんでしょうね。