子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

職場の人がかっこいい。

今の職場に勤めて約1年が経過した。

2年前には違うところにいたんだなと思うと何だか変な感じだ。職場は5年とか10年とか働いている人がザラにいて、昔の話を聞くのが結構好き。

今の建物がなかった時はね、とか、あの頃○さんて人がいてね、とか。同じ仕事をしている先輩たちは私以外みんな、有給が年に20日ついてしまうような勤続年数でありベテラン。

多分、同じ資格で働くすべての職員の中で私が一番経験が浅い。

まだまだひよこ状態だけど、少なくとも職場の中で「何がどこにある」とか「誰がどんな人で」みたいなことはもうわかるようになっていて、この話はこの人に相談しようとかあれは絶対この人に伝えなくては、とかいった傾斜も自分の中でつけながら仕事ができるようになっている。

 

たった1年なのに、変な感覚。

 

この職場が何か大きく組織改変してしまうとかM&Aされるとかない限り、できれば定年まで働きたいとすら思っている。

 

その理由の一つは、先生がかっこいいから。

顔の造作とか見た目とか、そういうこと(だけ)ではない。なんていうか、この1年働いていて「いい病院だな」って何度も思ったから。

以前勤務していた病院はとにかく、医師が一番最初に逃げて、師長さんはとりあえずか弱くて、MSW(医療ソーシャルワーカー)が矢面に立つということが幾度となくあった。

病棟勤務の中で誰よりも医学知識がなく、医療にまつわる免許がなく、生活者視点でしか話さないけど私でいいのですか????と思うことがよくあった。

怒りとともに。

 

他病院への紹介状一つまともに書けなくて、ようやく書いたと思ったらカンファレンス議事録の理学療法士のコメントを貼り付けただけ。感染症のデータは依頼しても取ってない、胸写も脳画像も読めませんけど!(ドヤッ

みたいな先生がゴロゴロいて、師長さんと何度も紹介状を推敲した。依頼した紹介状が何週間も手付かずで直談判したら、逆ギレされるなんて毎度のことだった。

そんなほろ苦いというかは苦々しい日々だった。

 

嘘みたいな本当の話だ。

うっかり同じ法人の人がこのブログを見る奇跡があったら、「はっ」と思い当たるだろう。

どこの病院でも似ていたらしいから。

 

そんなところから今の病院に来たせいか、1年前は多少病みががってたと思う。

毎日が感動の嵐だった。

「先生が仕事をしている」

「急変しそうだからって土曜日も午後まで残るの?」(以前の病院は土日は当直医のみ)

「え?先生が御自ら他院に交渉してくださるのですか??」

「先生、患者さんのご自宅に一緒に家屋評価に行かれるのですか?」

と。

そしてきちんと病状管理されている患者さんが急に具合が悪くなることは滅多になく、みんな元気になって退院していく。

 

病院のヒエラルキーは医師がトップということを、今の病院では抵抗なく受け入れてしまう自分がいる。

でも先生たちはそんな偉そうな雰囲気を全然出さずにフランクに話してくるし、満員電車に揺られて通勤する「普通の人」だったりする。

 

先日、急に状態の悪化した患者さんがいてどうしようかと主治医や看護師と話していたら、それを知った先生が相談に乗ってくれてすぐに急性期病棟に電話して

「ちょっとこれだと病棟が適正じゃない。抗生剤でちゃんと治療もしてあげてケアが必要だから転院させたいんだよね」

とものの20分で話をつけてくださってあっけなく転院していった。

ちょっと先生、かっこよすぎてお礼を言うの忘れたよ。

先生としてはいつもの仕事をいつも通りにこなしただけなのだろうけど。

そんな風にすぐに入院が可能なのも、先生が普段から各部署にすごく信頼されているからなのだろうとも思う。

どこにいても評判のいい先生だから。

患者さんに信頼されること、看護師やコメディカルに信頼と尊敬をされていること、的確な診断と治療ができること、普通の人であることって医師にとって大事なんだなと思う。なかなかできることじゃないけど、院長を始め割とそういうキャラの先生が多い。変な先生も過去にはいたけど、淘汰されていったと先輩から聞いた。

 

医師でも、看護師でも、リハビリのスタッフでも、医事課の方でも誰でも「患者さんのためにこうしてあげるのがいいと思うよ」と言うスタンスがベースにあるからブレないし、やることがシンプル。意見が合わない時もあるけど、考えていること(患者さんに取ってのベストは?)が一緒だから話し合って前に進めるのもありがたい。

 

医師というと、怖いとか偉そうとか責任転嫁するとかネガティブな印象を持ちがちだったけど、転職していろいろコペルニクス的転回。

 

息子が怪我した時も院長が診てくれたり。

専門科目違うのに急にすぐ診てくれて、あとから他のスタッフに聞いたら「院長先生は職員さんのことがとても好きで大事に思ってるから、診て欲しいっていうと大抵断らないですよ」とのこと。

ちなみに息子はその後、すごく順調に怪我も治って感謝感謝。

 

尊敬できる人が職場にいるってすごく大事だと気づいたし、いろんなことをスマートにクールに進める先生方は本当にかっこいい。

前に働いていた病院とはまた違うモチベーションで、「一緒に働くチームの足を引っ張ることがないように、病院に貢献できるように専門性を磨きたい」と思う。

まだまだ程遠いけど、同じ部署の上司も可愛らしくてかっこよくて素敵だし、日々自分も専門性を磨く努力をしていかなくちゃな。