発端は母が公園で蛇を見つけたことだった。
体長2メートルほどの蛇が公園の茂みの中にいたと言う。
この話をある朝、息子に聞かせていた。息子は「おばあちゃんが見つけた蛇の話」がいたくお気に入りで、私にも繰り返し教えてくれた。
そして保育園に行く道すがらで茂みっぽい街路樹の植え込みなどがあると「ここに蛇がいたの?」と聞いてくる。
茂みはあってそうだけど、残念ながらここにはいない。
もう少し先の大きめの茂みの方かもしれない、と思うと止める間もなく走り出す。
ここ?
いやここにもいないよ。
で、無事に保育園へ。
帰りにまた蛇の話になる。朝とは違い帰りは「蛇をみつけたよ」「触ったんだ」と言う話になっている。
おばあちゃんもいなくなり、蛇と自分の世界になっている。
こうして毎日かれこれ7日ほど経つが毎日蛇の話を少しずつ変えながら話してくれる。
子供は同じ絵本を何度でも繰り返し読みたがる。お気に入りの物語は何度読んでもまた読んでと言うし、読めなくても自分で広げて絵を眺めて話していたりする。
気に入ったお話をいろんな色にしながら自分のものにしていくんだろう。
私など小説を一度読んだら2回は読まないけど、子供のように何度も読み返して楽しむって言う楽しみ方ができると、また世界が広がったり深まったりするような気がしてきた。
子供から教えられることがたくさんある。