子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

「若者のすべて」

夏に聴きたくなる曲がいくつかある。その中でも少しだけ特別に好きな曲がある。

フジファブリックの「若者のすべて」。

この曲を初めて知ったのはap bank fesでミスチルの櫻井さんが歌った時だった。しかもその時ライブで見たかな、見ていないかもな。くらいの認識だったから、DVDで曲やオリジナルを歌ってるバンドの存在を知った。

それ以来、何度も何度も櫻井さんの声で聴いてきた。

どんなきっかけだったか今では思い出せないけど、程なくして志村さんが2009年に逝去したことを知った。

 

それから櫻井さんの声だけでなくフジファブリックが奏でる「若者のすべて」を繰り返し聴いた。どちらも大好き。

櫻井さんの歌声にはいろんな想いがこもっている(ように聞こえる)し、フジファブリックの歌には透明で澄み渡る水が上流から流れるような美しさがある。

 

この夏、若い俳優が命をたった。

どんな理由であれ自分よりも若い人が亡くなったことに言いようのない苦しさがあった。一瞬、呼吸を忘れるほどに。

 

 

 

作品を通してしか、テレビや雑誌のインタビューを通してしか知ることのない人なのに、ふと何かの時に「大丈夫かな」と思ったことがあって、その後、元気そうに舞台挨拶をしている姿を見て「元気になったんだな」と解釈をしていた。私の一方的すぎる気持ち。

20代後半とか30前後で苦しい時期が来る人もいるから、きっとそこをbreak thruすると突き抜けるんじゃないかなって勝手に、ものすごく勝手に思っていた。

彼が抱えていたものを何一つ知らないし、詮索する気持ちもない。

 

ただ、一人の若者が命を自ら絶ったことに言いようもない悲しみに襲われた。死にたくなることと死んでしまうことの落差と地続きであるということの現実に打ちのめされてしまう。

 

才能ばかりを惜しむわけではないけど、やっぱりまだまだこれからだとこちらは勝手に思っていて、昨日があって今日があるように、まだまだ明日があると思いたい。私にとって30歳はそんな年齢だ。

 

今の自分には、「明日の朝、子どもの朝ごはんを作らないと」ということが今を、明日を生きる支えになっている。

 

 

一足もふた足も早く天国に駆け上がってしまった若者たちを思いながら「若者のすべて」をまた聴こう。

そして俳優の彼が完璧に演じきった映画を、ドラマをこれからも観よう。