子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

仕事で泣く。

ソーシャルワーカーの仕事に自分の価値観や感情を持ち込んではいけない。

このことは勉強する際のかなり初期段階で言われて、ことあるごとに先生はそのことをみんなに伝えていた。

基本的にはそうだと思うし、自分でも「今の自分はちゃんと個人とは離れて話を聞いているか」を点検しながら患者さんや家族と接している(つもり)。

わかっているのに、目の前にいる患者さんやそのご家族の置かれた立場、環境を思うときに心が揺さぶられたり、大きく深呼吸をしたり、助けたいと思う時がごくたまにある。

 

病気って、世の中に溢れていて大変な病を背負って生まれてきた人、途中で病を負った人、病を完治できた人、完治ではないけどコントロールしている人、付き合いながら生きてる人...いろんな人がいて、いろんな病気がある。

 

普段、普通に生活していれば知らないようなことも、病院という非日常の世界で知ることがある。

一家の大黒柱が突然病に倒れた、ついこの間、伴侶を亡くしたばかりなのに...などなど。

街の中ですれ違っても、そういう背景は誰もわからないし、知らないけど、仕事を通してそういう方に出会うととても切なくなる。

それで帰り道にまた思い出して、「今も一人できっと、家族の回復を願いながら過ごしているんだろうな」と思うと、ちょっと涙が出てきてしまう。

まだまだ、ワーカーとして未熟なのかもしれないけど、尊敬する大先輩が、「泣く者と一緒に泣く」っていうのをワーカーの心構えとか全部できる上でやっていて、ちょっと憧れる。

自分の感情が揺さぶられる、それすらもソーシャルワークよ。

そう言ってた。それ以来、最終的な私のありたい姿はそこになった。

また、大先輩にまた会いたいな。