子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

「怖い話」のはなし

私が小さい頃、母親がよく怖い話をしてくれた。それはたとえば、誘拐の手口だったり、泥棒の手口だったりしたわけだけど、声色を変えてリアルにときどき低い声もだしながら話してくれた。おかげですっかり警戒心は強まったし、誰かが「ピンポーン」とインターホンでも鳴らそうなら10通りくらいの悪い人のあれこれが頭に浮かんで、最終的には「出てはいけない」という母の戒めを思い出して居留守をしていた。

 

時は流れて二児の親となった今、夜な夜な子どもに「怖い話」を聞かせている。ただ、どちらかといえば私が伝えたいというよりも「怖い話を聞かせて」という子どものリクエストに応えて話している。

作話も多くてそれほど怖い話はできないけど、「怖い」とも違って、小さい子どもが親に殺されてしまうような話もときどき伝えている。

子どもながらに重いものがあるだろうと思うけど、同い年の子どもが、もしくは近い年齢の子どもが、温かい布団やごはんを十分に与えられないばかりか、寒い冬の日に外に何時間も出されているような現実があることも、知っていてほしいなと思う。

 

私がそうしたことを知ったのは随分大きくなってから、小学校高学年の頃だったと思うけど、小さいときは小さいながらに大きくなればそれなりに、社会に、すぐそばの地域に潜む問題がある。

 

そう思うと、自分自身ももっと子どもの生きる環境や育つ環境、現実の問題を知っていかないといけないと思うし、怖い話ではなく今ある本当の話として子どもにどう伝えていったらいいかなと考えさせられる。