まもなく退会する予定の職能団体の配布物に「状況の中の人」という捉え方で対象者を見るのがソーシャルワーカーの視点だ、とあった。
過去半年くらいの自分の仕事と患者さん、そのご家族への関わりを思い返してどれほどできていたかな、と反省する。
いくつか類似のケースに直面すると、そのことが頭に思い返されてしまってなんとなく「最適解」みたいなものを提示したくなる。してしまう自分がいた。
たとえば、施設の選択。
「家では見られない」「でも月15万円出すのが限界」「だけど遠くの施設は嫌」。
こういう話は常に抱えているケースに複数あって、家庭の事情もいろいろ。
老健かな...とか金額と距離で答えを出してしまいがちだったけど、そういう話じゃない。家族や患者さんが「老健」て選択をする結果になることがあったとしても、それを選ぶまでにどんなプロセスがあるのか、MSWとしてどうやってそこを支えていくのか、一緒に考えていくのかというのを思うと、「うわぁ......」という声が出そうになる。
厳に戒めているのは、人の生き方、生きる場所を病院ごときが勝手に決めないこと。
これは強く心に刻んでいるけど、方向性が家族の中で本人の中で固まると、その途上で揺れ動く気持ちをどれくらい聴いていたかな。受け止めていたかな、という点ではあまり自信がない。
明日、患者さんの今後について一緒に話したいなと思っている。どんなふうに話を聴くか、心を整えねば。態度を考えねば。
とこの週末、悩んでいたのだけど、
カウンセラーの基本的態度
①自己一致
・純粋性
・誠実で正直
・透明性
・真実性
・素直さ②無条件の肯定的配慮(受容)
・受容
・CLを「条件付きでない自己価値」の持ち主
・そのまま受け容れる
・選択や評価はしない
・CLを心から大切にし尊敬する③共感的理解(共感)
・相手の見方、感じ方、考え方をCLの身になり、立場になって感じる。「あたかも自分自身のものであるかのように」
怒りや混乱に巻きこれず一線が引かれている
これがすべてよね。
資格の勉強の始まりはカウンセリングだったけど、何度でも立ち返るのはこれ。
仕事になれるほどに、原則の難しさと重要さを噛み締めよう。