大学入試の日が近づいてきている。
というのは20年以上も前のことだけど、あの頃第一志望だった学校は毎年バレンタイン前後が入試日だった。
もちろん、バレンタインなど全く無縁の日々だったので2/14がすなわち入試日!!って感じだった。おまけに2回も浪人したので私にとっては切っても切れないというか忘れられない日になっている。
大学を受験する際に選ぶ基準として「学びたいことがあるか」とか「図書館は充実しているか」など、大事なポイントももちろん気にしていたのだけど、なんだかんだといって「都心にある大学か」というのも自分の中では比重が大きかったような気がしている。
「いいな」と思う大学のいくつかは、都心のキャンパスを売ったり別の活用をしていて「首都移転」なみに郊外へ郊外へと展開していっていた。
別にそのことが悪いことではないと思うけど、当時の私にとっては中央線を乗り継ぎ更にバス...とか山手線で行けないとかは、「遠すぎる」と感じていた。
実際に第一志望に合格して1年次の教養以外は狭くて都会のキャンパスだったから、夢がかなったといえる。
通学しやすいのって大事だよね〜ということのほかに、就職試験が受けやすかったのも、都心の学校で良かったなって思ったことだった。というのをさっき思い出した。
そんなことを考えていたら、いやまてよ、もしかしたらその後の人生も全部場所で選んだ説が有望ではないか...と思えてきた。
最初に勤めた出版社は本社が新宿区だったしブランチも千代田区だった。
次は港区、渋谷区、それで今地元。
全部、場所で選んでいた気がする。とくに渋谷区で働いていたときは「大手企業であること」「渋谷より家よりであること」を条件に探していたら、入社させてくれる会社が渋谷にあったという話。
本当はYahoo!とかで働きたかったし、LINEでもいいなと思ったけど、最初に受かったのが別の大手ITだったからそこでお世話になった。
全部過去の話。
だけど、自分の中の価値観というか、考えというか、その時に自分が何を選び、何を諦めてきたのか、諦められなかったのか、というのを思うと相通じるものがあっておもしろいなと思う。
大手企業でそれなりにダイナミズムもエグさも知って面白かったけど、病院の大手は絶対やめたほうがいいなって、その後勤めた病院や同僚の話を聞いて思う。
今は、地元の小さな病院で働いているけど、病院みたいに公共性の強い組織では、経営一族の息のかかったなんとかとか、百害あって一利なし。
目の前の患者さんのために「まいっちゃうよ〜」って言いながら汗流せる先生たちがいてくれるかどうかだなと思う。
今日の午後も苦笑いしながら、軽やかに先生は急患のもとへ走っていった。