子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

【読書録】日常に侵入する自己啓発

自己啓発系の本はほとんど、というか全く読まない。なので、どんな人がどんな動機で読むんだろうとか、自己啓発の本てそもそも何が書かれていて何が人々を魅了するんだろうって言うことが知りたくて手にとった。

日常に侵入する自己啓発: 生き方・手帳術・片づけ

 

本著では、ここのサブタイトルにもある通り、生き方・手帳・片付けというジャンルの「自己啓発」について多くのページを割かれている。

一番興味深かったのは、読者の声と編集者の声。

「誰が」発信しているかもすごく大事らしい。失敗したことも勲章みたいな感じで、いかにプロフィールに人生が波乱万丈だったか、何をきっかけに這い上がったか(のしあがったか)をどう表現して伝えるかで自己啓発本の良し悪しが左右されるということだった(売上的な良し悪し)。

 

読む人は意外にもクールで「どうせこんなふうにうまくいくはずないってわかっている」とか「結論はどれも同じようなもの。それを確認するために読む」みたいな人もいるらしい。

自己啓発本に心酔しきっている人もそんなにいなさそう。

それはちょっと意外な発見だった。

 

あと、読む人の層というのも経営者とか給与所得が高いとか、いわゆるアッパークラスの人が割と多くいるらしい。

これも意外と言えば意外。おもしろい発見だった。

 

後半の、手帳とか片付けってハウツー的な意味合いが強くて自己啓発とのつながりをイメージしづらかったけど、たしかに「片付け方」というよりもそれを通して「生き方も美しくなる」とか別の意味合いというか意味付けをしている本もあるから、納得だった。

 

自己啓発そのもの自体は否定しないし、自分とて自分を変えるために学びをしたり、仕事でも経験を増やそうとすることはある。だから多くの人は意図せずとも自分を変えていく行為を大なり小なりしていると思う。

だけど、その方法とか考え方ってどうしても「誰かのやり方」を真似ようとは思えなくて、うまく行った人の話を読んでも「置かれた場所が違いすぎる」って思うことがきっと多いから、興味ないな〜と思う気持ちが強い。

 

片付けの章では「部屋は城。きれいに磨いてこそ心にも余裕が」とか「生き方も美しく」的な話が出ていて、閉口してしまった。

 

自分が変わりたいなとか、このままじゃだめだなとか思ったときに私にとっては「然るべき場所で勉強する」が多分自分なりの答えで、もっと時間とお金と能力があれば大学院に行くとかだっただろうし、その手前でここ10年は資格取得とかだったけど、人によってどんなアクションを起こすかっていうのは違うし、そこに自分のくせとかがきっと出るんだろうなと思うと、興味深かった。

 

自己啓発も考え方次第だけど、本だけじゃなくて最近はサロンとかセミナーとか、ほんと海千山千。

誰かの影響力のもとで自分の人生がみぎひだりに動いていくのはなんだかな〜って思うのと、そういうふうにサロンとかしている人たちのモチベーションはどのあたり?っていうのも気になるから、しばらくウォッチングは続けようと思う。