お世話になった看護師さんがまた一人退職した。
病棟の柱みたいな感じで凄く信頼していて、リーダーさんをやってくれる日は「今日は何でも相談できる!」って感じだった。認知症の患者さんの抑制オフの評価とか、書類の催促とか。
本当に諸々と相談させてもらっていた。
頼りになる看護師さんは何人かいて、その中のひとり。
昨年、人事の入れ替えがあってから時を前後して妊娠や結婚で退職する人も相次いでいたけど、その方の退職はまさか...という感じだった。
組織って人なんだよなとしみじみと思う。今の職場は先生が偉そうでもなく、誰も偉くもなくそれぞれが患者さんのために何ができるかを淡々と考えて取り組んでいく。もうそれだけ。
もちろんぶつかることもそれることもあるけれど、各部署がそれぞれの専門性をどう発揮して患者さんに最適化していくか。
そういう職場だからよく話すし、みんないい人だし、すごく働きやすいと思っている。
やめる看護師さんもまた、そんないい人の一人だった。
「本当はやめたくなかった。だけど...」と言葉を濁した彼女の言葉の先に詰めた思い。
普段の面談でも、患者さんや家族の、その思いの奥底に閉じ込めた思いに、思いを馳せたり気持ちを受け止めたりしているけど、そのことと同じような空気感が、看護師さんとのやりとりでもあった。
きっと、まだうまく言葉にできず、前に進むことを決めているし決断に迷いはないけれど、それでもやっぱりあふれるものがあるんだろうと思う。
詳細は聴かなかったし、送り出すときにはいつも「行く先々であなたらしさで輝けますように」と心のなかで思うし、これまでのあれこれを聞くことでもないなと考えている。
今の私の部署はもう5年以上勤続されている人ばかりで部署の安定感はこの上ない。
もちろん、組織に人の出入りはつきものだけど、組織の強みや良さって、素晴らしい目標を持ってるとか、地域貢献している度合いが数値化されているとか、そういうことじゃなくて人なんだよな。ということを今一度噛み締めている。