子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

チームワーク

f:id:like_little_children:20210525200918p:plain

チームワークという言葉を知ったのは小学生の時だったと思う。

小さい頃から長いものに巻かれることも協調性を持って生活することもいまいち苦手だった。

自分としては最大限の気を使っていても、先生には「あなただけ嫌そうな顔をしている」とかいちゃもんをつけられて公衆の面前で叱られたものだ。

なので私はずっと「協調性がない人間」というふうに自己分析していた。

 

そんな私がチームワークを求められる仕事をしている。

MSWのしごとってわりと病院のヒエラルキーから外れてたりして独自路線というふうにも言えるけれど、それなりに各部署との橋渡しをしたり、時には他職種の代弁機能を果たしながら、患者さんと家族、医師、看護師などをつなぎ合わせていく。

トータルでチームとしての視点を持つこともすごく大事、とMSWの初期に教わった。

 

最近、若い医師とこんなやり取りがあった。

医師「もうあの人退院させましょう!」

私「どうしてですか?」

医師「本人帰りたがってるんで!」

私「どうしてでしょう?」

医師「お金じゃないっすか?お金ないみたいだし」

私「先生、帰りたいから帰すっていうことではなくてこの病棟でやるべきことや本人の必要を抑えた上でFIMの改善をするなりにして、病院としても退院のゴーサインが出せるかどうかもあると思いますよ。どうですかね?」

医師「でも本人は帰りたがってるから」

私「それは大事な希望なので尊重したいと思いますが、ただ早く帰すのではなくてある程度本人に必要とされる能力と、それから乖離しているものの確認をした上で、家族や在宅ケアのチームにお伝えしないといけない気がします。」

医師「......」

私「本人と話します」

 

みたいなやりとり。

後で担当のセラピストに聞いたら「退院させましょう」の押しが強かったとのこと。

なんでだろう。

先生もまた、チームの一員。チーム内で意思疎通をしてきちんとどういうふうに病院としてはお伝えするかはもう少し考えていく必要がある。

以前に大変お世話になった医師からは「再発予防が今後最も大事」と言われたことがある。

社会復帰するにしても、家庭復帰するにしても、取り戻した健康を維持していくことがすごく大事。病院として、そこをフォローしていく役割もある。

先生と出会えたことの大きさを噛み締めつつも、今の若手の先生も悪気もないだろうし投げやりでもないだろうと思うから、たくさん対話を重ねて、ズレを埋めていくしかない。

 

いつしかチームワークで働くのが当たり前になってるし、私には全く苦ではない。

つまり、そんなに協調性がないわけでもないのかも。

でもやっぱり、自己主張もあるから嫌われちゃうこともあるのだろうな。