仕事のクオリティは組織の規模だけでは測れない。
そんなことをここのところしみじみと思う。
大学を卒業して最初に就職した出版社は総勢で300人程度の小さな組織だった。
その後、ウェブの道に進みたくて就職した企業は外資。当時、億単位でPVを稼ぐおばけサイトを運営していて、やけに羽振りも良くてすごくいい会社だった。
コンテンツは全然得意分野じゃなかったけど、先輩たちはみんなすごい腕のある人たちで当たり前のように編集スキルを生かして仕事に望めた。
その次の会社では「とにかく大手企業に」という願いを込めて、日本有数のIT企業に就職した。本当、しごとではとにかく夢を叶え続けている。
外資も、大手企業も経験できて職業人生は充実だなと思っていた。
だけどやっぱり物事には終わりがある。ずっと大手で働く選択肢もあったけど、取れた資格で働こうと思って、大きな規模の病院で働き始めた。
でもそこも結局2年弱で辞めて今の職場に来たのだけど、唯一、前の職場で良かったのは、良い先輩たちに巡り会えたことが大きい。
1年目の終わり、就職してまだ8ヶ月とかそんな時期に膨大な仕事を任されて無我夢中で働いていたし、社会福祉士として医療ソーシャルワーカーとして焦りと不安と多忙を極めていた。
切羽詰まりすぎて先輩もさぞドン引きだったと思う。
でもその必死な感じがあったせいか、いろいろと教えていただいた。
- 3年目まで自分のMSWとしての姿勢が出来上がってしまうこと
- 連携、調整などよく使う言葉、出てくる言葉の定義をせよ
- 退院促進、退院抑制なんて死んでも使うな
- 職能団体に加入せよ
などなど。
書き留めたノートは一生捨てられない。
あの頃にいろんな先輩にいろんなかたちで教えてもらった数々が今の自分を支えてくれていることは間違いない。
一番の仲良しの看護師さんが看護部長の現場知らずのせいで異動させられてしまった。
10年以上働いていて知り尽くしていてものすごく芯の強い、しっかりしている看護師さん。ゆえに部長には気に食わないこともあったのだろう。私にはその部長が理解できないけれど。
プロとしてやるべきことをデキる人よりも、バカでできない人を好むのは部長自身が自分に自信がないからか。そのあたりは計り知れないけれど、入社初期に教えてもらったことは自分の土台となる。
社会人としての土台は最初の出版社で教えられたし、MSWとしての土台は2年弱働いた組織で出会った先輩に教えられた。そして今の職場でも多くのことを今も先輩に教えてもらっている。
自分が身を置く場所で身につけられることは変わるし、それは取りも直さず「誰と」というところに依拠する部分が大きい。
自分がこの組織の中で働くときに、自分自身が先輩からたくさんのことを教えてもらい、他職種の人からも学んだように、自分もまた誰かに伝えていける存在にいつかなれたらいいなと思う。