子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

警察官の話

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ある夜、息子が私のスマホをいじっていた。

何気なく触っていて、普段はロックの解除もできないから触っていても深く気にしないのだけど、その夜に限ってあろうことか「110番する!」といきなり電話をかけ始めた。

いたずらにしてはひどすぎる。電話がかかってしまい、すぐに切ったもののすぐに折り返しの電話。

ただでさえ忙しい時に子どものいたずらで通報とは本当に恥ずかしく申し訳なく、電話の向こうに平謝りしていた。

経緯をお伝えして平身低頭謝ったものの、息子はヘラヘラとしていて電話越しの警察官に謝ることもなかった。

 

怒り心頭で息子に諭したら、今度は怖くなってしまったようで過呼吸気味に泣いてしまった。そこまで脅したつもりはないものの「住所も電話も名前も聞かれたよ(事実)。お家に来るかも知れないね!(不明)そうしたら○くんは警察でお話聞かせてくださいって連れて行かれちゃうかも。明日は保育園いけないかも知れないんだよ(そういうことはあまり考えにくいかも知れない...)」。

 

脅し過ぎと思われそうではあるけれど、ヘラヘラと笑って「かかっちゃったぜイエイ」くらいの調子だったから本当に反省してほしいと思った。うまくその深刻さは伝えられず「警察の人もすごく忙しい中、わざわざ電話もくれて大丈夫?!って確認してくれたんだよ。それで自分の悪戯なのにごめんなさいもしないの??」など言ってみたけれど、いまいち通じてなさそうだった。

 

それで警察官来たらどうするの?ごめんなさいできる?など聞いていたら「だってだって」と泣いてしまった。

こっちも泣きそう(なぜか)。

とにかく、明日は謝ろうね。許してくれるかどうかはわからないけれど、謝らないと許してもらうこともないんだよと伝えた。

 

翌朝、息子を伴って家から一番近い交番に行って、息子が「電話してごめんなさい」と警察官に言ったら「大丈夫だよ」と本当に優しい笑顔で接してくださった。

涙が出そう(二度目)。

交番には前夜のやり取りがすでに報告済みだったようで「ああ、わざわざ。そうかそうかわざわざ来てくれたんだね」とにこにこ言ってくださった。

本当に申し訳ないと思ったし、SOSの大事な命綱だからこそ安易に110番にいたずらして迷惑をかけるようなことをしてほしくない。

「逮捕されないといいな」と息子が言ってたことを伝えたら「そんなこと...そんなことないですから!お母さん」と力を込めて優しい口調で言ってくださって得も言われぬ安心で満たされた。

 

警察官てなんとなく「怖い」というイメージが先行していたり、テレビドラマのイメージしか持っていなかったりで、現実の警察官との接点はあまりなかった。だけど今回のことでこの街にいる警察官が心温かくて温和であったことに気づけて、とても安心した。

息子もあれ以来、同じいたずらをしようとしない。

一つ一つ、経験を通して(わたしも)出会い、学んでいくんだろうな。