今の仕事は良い仕事だなと思うことがある。
仕事の大半は、退院に向けての課題の確認、整理、解消だったりするし、その内容に手を突っ込むことや解消と思うものが専門職の独善になってないかという反省はつきまとうのだけど、そればかりではない。
今日、ある入院の相談を受けた。
生まれながらにして疾患があり、幾度かの手術を経て先天性の疾患以外にも障害を負ってしまった人だった。
親御さんも年を取り、きょうだいもおとなになり。
この先、ずっと同じように看ていけるのかという悩みの中で当院という選択肢があったのかもしれない。
その方に関する医師からの情報提供を読みながら、私も先輩も思いを馳せたのは、ここ30年近くその子を看てきたご家族の思いや生活、日々のことだった。
先輩と多くを話したわけではないけれど、少ない言葉を交わしながら、わたしたちのようなソーシャルワーカーが気になるのはどこまでいっても「その方の人生」だったり「生活」だなぁと思う。
別のケースだけど、患者さんの家族と面談をしていて、ご家族の口から語られる患者さんの姿から「きっとご家族はこういうことに心を痛めたり悩ませたりしてきたのだろう」というものを受け止めつつ、話をしていた。
医師でもない。看護師でもない。
病院の中では何か特効薬や劇的な対症法をもった存在ではないけれど、与えられた役割はよく話を聴くこと、聴きながら思いを深くはせて、現実の問題とその解決に向けて何ができるか、何をすべきかと問いながら考えること。
そんな仕事。
「あなたみたいな人いるんだね」と患者さん家族には驚かれたけれど、数は少なくても病院にいて、不思議な仕事を担っている。
わかりづらいけどおもしろいし、私はこの仕事が好きだなと思う。