息子がもう少し小さかったとき、週1くらいで喘息の発作を起こしていた。大げさではなく、そんな頻度に感じるほどに喘息だった。
午前中のちょっとした買い物も連れて行きづらい...という感じで。
それでも手足は自由に動くし、ほかの機能は元気だったから順調に大きくなって歩けるようになって、少しずつ一緒に出かけることができるようになった。それを実感したのは3歳を過ぎてから。それまでは出かけることがままならず、「喘息になるから」と出かけられないし、出かける時は喘息になっちゃうかもというリスクを覚悟して。という感じだった。
でも、もしこれがもっと重篤な疾患を持つ子どもだったら出かけること自体、夢のまた夢ということは珍しくないだろうと思う。
中途障害で体に不自由さを覚える患者さんに仕事柄出会う。
「歩けるようになりたい」「また仕事したい」「また好きな人のコンサートに行きたい」。
昨日まで当たり前にしていたことが、体の一部、もしくはいくつかの場所が障害を負うことで制限させられてしまう移動の自由。
息子を連れて買い物に行けないなぁなんて思っていた私の諦めとは次元の違う話。
移動することって人間にとって、けっこう根本的な欲求のひとつなんだなと思う。