子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

自己一致(透明性)

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突然だが、この世界(相談とか支援とか)の入口となったのは、私にとっては産業カウンセラーの学びだった。

今でも何度も何度も振り返るのは、そこで最初に学んだカウンセラーの三原則。

person centered approachというカール・ロジャーズが提唱したもので、カウンセラーでこれ知らなければ確実にもぐり(と私は思う)。

それくらい重要な考えだ。

  1. 自己一致
  2. 無条件の肯定的態度
  3. 共感的理解

この3つがその原則。

今日は1つ目の自己一致を考えていた。

ちょっと大変だなぁと思う患者家族がいる。

病院のシステムを「あえて壊したら良い。教えてあげる」という態度が全面に出てくるので食傷気味である。

「わかったわかった。落ち着いて」と思う。

言っていることは正しそうで押し付けがましく、良い考えのようで本人にとって良くはなく、協力的に見せかけて、敵対的。

そんな感じ。

だけどその家族の話を聞いている時に私が考えているのは、この「自己一致」のことだ。

この人の話を、食傷気味と思う私がいること、これは受け入れがたいなと思っている私がいること、私のこの思いは一体なんだろうか、と思うこと。

 

話を聴きながら、それを客観的に見ている私がいる。

言いたいことは全部聴くし、受け止める。だけども、それを是として受け入れるかどうかはまた違う話。

 

カウンセリングの学びをしていて、多くのことを知ることができたけれど、その実りあるものの一つがこのカウンセリングの原則だった。

社会福祉の世界では「自己覚知」と呼ばれているものと多くの点で共通するだろうと思う。

誰かの話を聴くという時に、問われているのは「私」という人の「感じ」「考え」「思い」みたいなものであったりする。

そこから逃げないし、それに蓋もしない。

 

で、なんかずっとそんな一日だったので非常に疲れてミスチルの「HERO」を聴いている。

ちっとも謎めいてないし いまさらもう秘密はない

この歌詞に私は何度も救われている。

今日の話の内容とのつながりを説明することはすごく難しいけれど、私にとって「いまさらもう秘密はない」という言葉の中に、自分の中で握りしめる言い訳や嘘や虚勢を捨てても怖くもないし、痛くもない。

そういう誠実さを感じるし、そうありたいと思うからかもしれない。

 

誰かのHEROになりたいとはおもってないけれど、でもこの歌のように生きていきたいと思う。