子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

何かに頼ること

最近、立て続けにアルコール依存の人の支援というか関わりをしている。

支援なんていうのはおこがましい。

どうしたらいいかなって私自身が右往左往と頭の中で悩み、結論を出せずに専門のクリニックのPSWさんとかにも知恵をもらっている。

その中で、PSWさんが言っていた言葉が忘れられない。

「アルコール依存の人たちにとって、そのアルコールは自分の命を繋ぐ命そのものでもあるんですよね」。

 

しばし、私が食事を摂れなかった日々のことを思い出していた。食べたくない、食事なんて嫌いだ、食事の時間なんてこなくていい。

そう思う反面、異様に食への興味というか関心が止められなくて、よくグルメ特集とか見ていたし、ショーウィンドウの食玩も飽きるほど眺めていた。

食品成分表もよく眺めてあらゆる食材のカロリーを計算していた。

栄養士にでもなるのか?という感じで覚え込むほどに。

 

あの日々は、自殺なんてしないで死にたいと思っていた。食べたくないけどカロリーがないものは食べても良いと思っていた。今思えば歪んでいるのだけど、あの感覚はアルコールがあるから生きていられると感じている人とそう違わないと、ふと気付かされた。

 

どうしたらいいかな。

 

上司は「入院させてもう関係を整理するしかない」「環境をとにかく変えるしかない」と言っていた。それは当然そうだし、身近な人に危害が加わりそうな今、それもやむなし。

だけど、地域の保健師さんは「今細くつながっている外来の主治医との関係を絶やさずに、家族の支援は地区担当の私が。」と言ってくださった。

そう。

患者さんにとって唯一、繋がれているのは主治医。主治医の先生もほぼ完璧な対応で、アルコールを取り上げるような言い方はしないで、「記録をつけておこうね」と言ってくれていた。

どういう対応が、一番良いのか。

悩むことも多い。

だけど、それは私の中にはこたえがない話。

患者さん自身がどうやって人生を歩んでいくか、立てていけるか。

それは患者さん自身にしかないから。その道をどうやって探っていくか。一緒に考えていきたい。

何か、一歩前に出ようって思えるまではまだまだ時間が必要。だけどその間にもアルコールを断てない日々だろう。体が壊れてしまわないように。

それを案じながらも私ができることはいろんな人と知恵を絞って患者さんのために何ができるか、何が必要か、患者さんの思いを丁寧に聴いていく、家族の話を聴いていく。それしかできない。