数年前にはやった言葉で苦手だった言葉があります。「○○力」ってやつです。
典型的なのは女子力とか。これ今も使われてるのかな。
なんでこんなにも「力」「力」とうたわれてたんでしょうね。
絶対使わないぞ!と思って横目でみてました。
いつブームが過ぎるやらと思って忘れてるうちに消えていきました。
むかーしはオバタリアンなんていて、いろいろタリアンがついてましたね。オジタリアンとか。
最近は力が活動に変わってるな、とシュウカツ、なんて昨日のブログで書いて、気づきました。
確か数年前は妊娠力とかわけわからない単語まで見かけましたが、最近はめっきり妊活、って言葉に置き換わっていますよね。
保活(保育園探しの活動)とか、婚活とか。こっちのほうがまだソフトなイメージで嫌な印象はないですが、まああまり使わないかなぁなんて思いました。
保活とかにしても「活動」というほどのことってなんだろう?って思ってしまいます。
○力、○活動、って強い表現だと思いますが、実際やってることはせいぜいネットで登録したりちょろちょろと見学したり(保育園探しとか、結婚とか、転職とか)。
妊活、は案外一番動かないと行けなくて体力も消耗して活動と呼ぶにふさわしいかもしれないですが、本気で動いてる人もゆるゆるしてる人も同じように「保活」とか「就活」とか言うので言葉の定義がどんどんあいまいになっていく印象です。
なので、仕事で記事を書く時にはとても気をつかう部分です。そのせいでかたくなりがちなのですが、たとえネットとはいえ、2年後、3年後に読んでもこっぱずかしくない記事であること、とかいうのは大事かなと思ったりします。
まあ、流行の言葉にいちいち目くじらを立てる必要はないし、そうとしか表現できないものも確実にあるんですが、どの文脈でどの言葉を使うかとかSNSでどんな言葉を選ぶかとかで、意外とその人となりが見えたり使う言葉で「その人のみてる世界への視線」みたいなものが見えますよね。
たとえば数週間前、物議をかもした議員の「八紘一宇」発言とか。
この場合は知性とか歴史観とかが丸見えで、かえってわかりやすいなって思いました。
総じて○力にしても○活動にしても、勇ましい言葉で鼓舞しようとする時代の風潮なのかと思ったりもします。
そのきっかけって(世界的にもその兆候はあったのかもしれないですが)小泉首相時代の1フレーズポリティクスでしたっけ?ワンフレーズで政治を語る、みたいな流行がありました。
こういうのってどうしても言い切りになって強い表現になります。
新聞の見出しとか昔からそうなので別にそのこと自体には違和感はないものの、新聞と違うのはちゃんと言葉の意味を開いていかない雑さにある気がします。
保活、妊活、就活、転活、介活、婚活、恋活・・・
なんでもいいんですが、どんな意味がそこにあるのか、発言する人が説明しないと意外と実態は見えない言葉です。
強い言葉(名詞)でぽっと発言するのは楽ですが「なぜ」「なに」と突き詰めて説明する力も同じくらいの強さで持ち合わせてないと安っぽく聴こえるなぁって思います。