子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

「あさえとちいさいいもうと」

今週のお題の「人生に影響を与えた1冊」で、もう一冊の本を紹介します。

タイトル通り、「あさえとちいさいいもうと」です。

あさえとちいさいいもうと (こどものとも傑作集)

 

この本は、あさえちゃんというお姉さんと妹がお留守番するというお話です。

まだおねえちゃんが幼稚園に行っていた頃には絵を一生懸命見ていました。時々、母に読んでもらったり。幼稚園の年中さんの頃には自分で読めていたので一生懸命読みました。

あさえは私のお姉ちゃんのように思って、妹は私だな、と思いながら。

顔もすごく似ててこんな感じだし。

 

あさえはお絵描きに夢中になってる間に、妹がどこかに行ってしまったことに気づかなくて、気付いた時にはどこにもいなくて。

 

焦りながら町中を探し回るという話です。

妹は誘拐されたかもしれない、事故に巻き込まれたかもしれない、迷子で寂しく泣いているかもしれない...いろんな不安と焦りがあさえを掻き立て、半べそ状態で(イメージですが)探します。

 

大事な存在が目の前からなくなった時の気の動転が手に取るように伝わって毎度毎度、ハラハラしていました。

「はじめてのおつかい」とかの方がポピュラーかもしれませんが、私には断然、この物語が自分と姉のようでお気に入りでした。

ちなみに、姉は私とお留守番するときはあさえのように遊びに夢中になるタイプではなく、絶えず面倒を見てくれました。

姉とのエピソードで一つ覚えているのは、私が母親にビンタされた時のこと。

昔の母は、よくビンタとかお尻ペンペンとかしたり、とにかく怒ると怖い母でした。

とにかく明るい安村。。。じゃなくて。

 

3-4歳の頃、ビンタされたある日、打ち所が悪く、私は鼻血流血。

自分でもわけわからなくて、泣いたかどうかも覚えていませんが、動転したのは姉でした。

母に抗議して、私を寝かせてティッシュで血を拭って懸命の看護。

すごく印象深くて、お姉ちゃんを心から信頼するようになりました。

 

そういう懐かしい思い出がある絵本です。このころの自分の気持ちも思い出せる絵本なので、とても好きです。

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もう一冊は、「いやいやえん」

いやいやえん―童話 (福音館創作童話シリーズ)

たしか、年長の時の誕生日かなんかに買ってもらったのかな。とにかく、半年以上読みました。100回は読んだんじゃないかと思うほど、大好きで繰り返し読みました。

自分でも何がツボだったのかいまだにわからないんですが、「いやいや」っていうしげるくんのきもちと、いやいやえんでのエキセントリックな日々がすごい刺激的でした。

自分がしげるくんだったらもう少し上手に嫌ってことを伝えるのにな、自分だったら何が嫌だろうか、とか夢想しながら読んでいました。

 

子どもの本にしては少々ボリュームのある本で、絵も少ないのですが、「絵本じゃない方が読みやすい」と思ったのもこの「いやいやえん」から。

小学校に入るとますます本を読みましたが、できる限り絵は少なく。せいぜい、一冊に3ページくらい挿絵があれば十分と思っていました。

 

余談ですが、社会で生きていくには、人の考えや思いを察する、想像する力ってひとつ大事な力量だと思います。姉や母は直感の鋭いタイプなのですぐに見抜くのですが、私はこうやって大事な本、なんでもなかった本、いろんな本に出会い、読むことを通して人の気持ちを想像する力が育まれたと思います。

その力量って、ものすごい大事なものの一つなので、ぜひ娘にも本好きになってもらいたいです。