子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

読書感想文

勉強というよりもテレビやネットに時間を取られ、本を読む習慣がちょっと減ってしまっていましたが、最近は少しずつ読んでいるのでここ一ヶ月で読んだ本の読書感想文を。

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北村薫

新潮社

 

スキップ (新潮文庫)

17歳の少女が時空を超えて42歳になってしまうという話。

それも、スワッピングではなく、25年後の自分です。

携帯もない、パソコンもない。テレビをお茶の間で皆で囲み、グループサウンズに聞き惚れていた女の子が突然、お母さんになっていて学校の先生をしていて...。

どれだけ戸惑うか。

 

随所にホロッとさせられたり高校英ならではの熱気やまっすぐさや大人びた部分や。

ぐいぐい引き込まれて最後は涙でした。

高校時代の自分は今の自分を全く想像もしていませんでした。

 

結婚してるとかしてないとか、どんな仕事をしてるとか。

仕事をするために、結婚するために、いろいろなストレスもあったり人間関係の難しさもあるなんて全然想像もしていなかったので、この女子高生の戸惑いがとても近く感じられました。

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岩波書店編集部

岩波書店

 

私の「戦後70年談話」

 

いろいろな人がいろいろな立場で、いろいろな場所で「アジア太平洋戦争」を経験していました。

「戦争ってこういうもの」というかたちや思いは人それぞれなのは当然で、どんな場所でどんな経験をして何を見て何を感じたかが人それぞれだからです。

 

最近、安保法案に反対の動き、賛成の声などなど否が応でも戦争を意識させられる場面が多いですよね。

考えるためにはまず聴くことからだと思いますし、こういう本を通して戦争について、原爆について追体験していくということはとても大事だと思います。

個人的には、ジェームス三木とか野坂昭如とか、よかったです。

 

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辻村深月

講談社

家族シアター

家族に関する小説が読みたくて手にしました。

短編が幾つか収まっているものです。ものすっごい泣きそうになりながら読みました。

家族というか兄弟の話が多かったのですがとくにグッときたのは「宇宙姉妹」。

短いのでぜひ他の人にも読んでもらいたいです。

年子の女の子兄弟の話です。

感性豊かで友達が多くて標準的でいたいお姉さんと理屈っぽくて冷静で人と違っても 飄々としてる妹。

 

小学生特有の友達との関わり。とくに女の子の間にある微妙な空気感。きょうだいへの愛情も、生意気って思う気持ちも、あるあると思いながら読みました。

私と姉は3歳離れているのでずいぶん可愛がってもらったという記憶がありますが、きっと姉の中にも、私に対するもどかしさや自分と全然違うことへのじれったさもあったかもしれません。

 

私はひたすら、ひたすら姉を慕って姉のことが大好きだった記憶がありますが、姉が自慢の姉であり続けて欲しいという期待があったと思います。いつの間にか理想的に思いすぎているというか。

 

そんな風に自分ときょうだいの関係を見つめる機会になりました。

 

小説、自伝、ミステリー。

いろんなジャンルが好きで、次は壺井栄さんの本を読もうと思います!