子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

【読書録】とり残されて

宮部みゆきさんの小説を久しぶりに。

東野圭吾もそうなんだけど、ドラマや映画になったものって俳優のイメージや映像イメージが先行してしまってなかなか原作本に手が伸びない。

映画を見て原作を読んだのは「二十四の瞳」か。それこそ、小学1年の夏にどうしても見たくて親に頼み込んで映画を見に行って、いたく感動して原作本まで買ってもらった。だけど漢字があまりにも難しくて読了までに随分かかってしまった。そんな思い出。でも、島の子どもたちは可愛く、先生も可愛く、だけど戦争の苦しさや悲しさ、結核のこともすごく怖かった。

 

今回の「とり残されて」は映像で見たことがなくて、これなら先入観なく読めるかなと思って読み始めた。

いくつかの短編がまとめられていたんだけど、一番インパクトに残っているのは最初に出てきた小学校の養護教諭と刑事さんの話。

誰かに対する強い恨みと誰かに対する強い愛情。こういう思いって、やっぱりその土地や建物や、ものになんとなくシミのように残ることもあるんじゃないかなんてことを思ってしまった。

宮部みゆきさんの作品て、ミステリーなんだけど「本当にありそう」なちょっと怖いような、だけど人間味があるというか主人公の考えとか思いがすごく伝わるから「そうだよねそういうこともきっとあるのかも」なんて思わせられて、とてもハマってしまう。

 

試験勉強をしないといけないからしばらく読書はお預けになりそうだけど、またいっぱい本を読みたい。