前首相が、首相就任時の記者会見で語った「自助・共助・公助そして絆」というこれ。結構嫌いだ。いや、大嫌い為政者に言われるなんて。
どうして嫌なんだろうか。そう思いつつ、すっかり忘れていた。
最近、子どもたちを見ていて久しぶりにこの言葉を思い出した。
昨日の夜のこと。
娘の算数を見ていて、2学期のはじめくらいに習った範囲の「単位」の問題をことごとく娘は間違えていた。
これでよく2学期が終わったもんだ。「もう一度4月から2年生やり直したほうがいいよ」「なんで100cmが1000mなの??」とキレ気味に迫ったら娘が泣き出してしまった。私が悪い。
だけど「こんなのもできないってちょっとどういうつもりよ?」と思ってしまい、ついついきつく「泣いたって無駄だよ。涙を流すほどのことでもないでしょ」とさらに嫌なことを言っていた。
この私のモラッた発言を聞いていた息子が「ママは完璧でも神様でもないくせにどうして怒るんだ。勉強は大事だけど間違えたからって怒る必要はないでしょう」と私に優しく説諭して、娘には「大丈夫だよ。ママが間違ってるんだ。大丈夫だよ」と娘を慰めてくれていた。
私も言いすぎて申し訳ない。ごめんねと謝ったけれど、遅い。謝るならやるなよって話。
一方の息子は弱きものを助ける優しい心でいっぱいだった。
この逆パターンもあって息子と娘とでお風呂に入るときなどは、背中を流し合ったりしてお互いに手の届かないところを助け合い、お互いが鏡になって「頭にまだ石鹸残ってるよ」とか言い合っている。
誰に言われなくても、普通に生きている中でいくらでも自助共助の世界なんだ。
私だってたくさん子どもに助けてもらっている。
なんでそれをわざわざ上から言われないといけないんだろうか。みたいな違和感なんだろうな。
それ(自助・共助)が大事ではないとも思わないし、誰もが自然に身につくというよりも人間関係の醸成の中でできることである、というのもわかる。
だけどそれをスローガンみたいに掲げられてしまうとなんとなく嫌な感じはする。