結婚していた当時は、不協和音はあるけどなんとかそれを宥めすかして、無視して忘れて、先延ばしにしていればいつか年をとって何とかなるかもしれないと思っていた。
それが、一つ一つ困難が越えられなくなってきて、離婚した時の開放感たら。
先延ばしにして、いつかはなんとかなる。
そういう根拠のない期待をもうしなくていいっていう開放感。
離婚して数年経ったときに、元夫から「この先結婚しないの?」と聞かれたことがあった。
思わず、「は?あんな大変な思い、もう金輪際したくない!絶対に嫌」と返した。
もう間髪入れずにそう答えていた。
なんていうか、結婚生活はとてもしんどかったし、全体的にどんよりした空気が覆っていた。
彼の方で見えている景色は違ったのだろうけども。
彼は言いたいことを言いたいように言って、自分の思い通りに私を動かそうとして動かない私にストレスを抱えていて、また私に怒ってというのを繰り返していた。そんな日々。
ディズニーランドに行っている間すらも怒られたし、気を遣っていた。
それを言ったら相手だって気を遣っていたかもしれないけども、なんていうか「ご機嫌をとる」的な気の遣い方は家族にするのはしんどい。
まあ、彼にとってはあの日々は何だったのか、今更知らないけど、さらに数年後に(つい最近)元夫は再婚を果たした。
正直なところ肩の荷が降りた気がした。私は結婚に絶望したけど、彼はまだ可能性を信じられているんだな、と。
私が離婚したいなって気持ちが強くなって離婚に至った経緯があったから、彼にとっては不本意なところもあったろうと思う。
脅されたり、あの手この手で離婚を阻止しようとしてきたけど、どうしても離婚以外に私は選択肢を持てなかった。
今も「ああ、離婚してよかった。もう2度と結婚はするまい」と思う。
だけど彼がそうして歩み出せていることは良いことだと思う。
残業帰りの秋の夜長に、ふとそんなことを考えた。
旅行した時の富士山。懐かしい〜