同僚が短い間に辞めることを決めていた。
一緒に働いた期間は一年にも満たなかったけど「私には向いてないと思った」と言われた。
私自身への何かではないけれど、なんとなく申し訳なさを心のどこかで今も感じている。
もう少し早く、彼女のつらさに気づけなかったもんかな。
もう少し、いろんな話をしておけばよかったかな。
人見知り傾向の性格もあって、表面的は話はしてもぐっと踏み込むような話を同僚とするのは差し控えるようにしている。
だけど、それが裏目に出たのかもしれない。
同僚は「もっと患者さんのことをちゃんと考えてあげて生活に戻るっていうプロセスを大切にしていきたかった。急性期では叶わない」というような話をしてくれて、MSWという仕事自体への戸惑いというか「なんか違う」も感じているよう。
もともと働いていた障害の分野に戻って考え直すという。
そうか。
それも一つの選択かもしれない。
私もよくわからずにこの業界に入り今の仕事についていて、強い情熱があったわけでもないのに「なんだかすごく楽しい」ってここまできてしまった。
でもその楽しさの大半を醸成してくれていたのは生活期のための病院(回復期)で働いていたからなのかもしれないと同僚の話を聞いて思った。
回復期って非常に知られていなくて、よくわからなくて、この仕事するまで全然知らなかった。救急車で搬送されてこない病院があるだなんて。
リハビリが今の日本の医療でこんなにも重視されているなんて。
たかだか10年前には知るよしもない話ばかりだった。
回復期ではある程度の時間をかけて患者さんや家族やチームの人たちと話し合いを重ねたり、面談をしたり、他機関にかけ合ったりしながら退院に向けていく。
ちょっとまったりすることもあるし、そのペースが苦手という人もいれば「最高」っていう人もいて、それぞれの得意不得意はあるだろうなと思う。
もしかしたら、同僚は回復期の経験もうちの病院でできていたら、もう少し判断が違ったのかもしれない。
そんな後の祭りのことも考えたり。
だけど、元の分野に戻って、仕事は続けるというしそれもそれで尊い。
いろんな道があって、何を選んでもそれでよかったんだよねって送り出したい。