子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

なんで福祉の仕事をしてるんだろう。

時々、自分が違う世界に迷い込んだ気分になる時がある。高校時代に、今住んでいる区の作業所に半日だったか1日だったか、ボランティアに行ったことがある。ボランティアと呼ぶにはおこがましく、見学をさせてもらったというほうがふさわしい。

 

当時は就労AとかBとかなかった気がして知的障害のある方が日中、工場などで発注された部品製造を下請けしていた。

覚えているのは狭くてちょっと薄暗くて作業が細かいということくらい。

 

その後、大学で教員免許を取得するために障害者施設での実習が必須だった。その必須の実習先として、隣区の施設に7日ほどお邪魔した記憶がある。

あとは特別支援学校にも行かせてもらった。

特別支援学校は、当時友人がすでに働いていたので少しだけ身近に感じていた。

ただ、障害児・者の通所は「何をどうしたらいいかわからない」の連続で日数を終えることでしか自分の中のゴール設定が立てられたなかった。

 

当時、自分のなかで福祉ということへのイメージもそんなに良いものでは正直なかった。

今となってはとんでもない思い違いだけど若かりし頃は「何も生み出さない」「限られた予算の中で汲々としている」というイメージがまずあってそれを破ることができなかった。

だから、友人で福祉系に進んだ人がいると「なんと高尚な」と思う反面、自分には無理だなと思っていた。

もっと、自由でカジュアルでのびのび生きるほうが向いてるって思ってた。

 

そこから10数年たち、児童虐待を防ぐ方法はないのか?世の中のセーフティネットはどうなっちゃってるのか?本を読んでもよくわからないし、法律も本当にないのか?と思い、学びたい気持ちから社会福祉の勉強を始めた。

どうせ勉強するから資格を取っておくのも悪くないかな。

くらいの気持ちで。

 

実習も、今となっては本当に何やってんだか...と思うレベル。何もわかってない。当時忙しく働いていた会社での仕事に追われて、社会福祉を考える暇も本当になく、この時の実習ですら「こなすのが精一杯」というありえないほど酷い状況。

私が先生なら落第させたいほど。レポートは締め切り前に提出したし、実習も休まなかったけど、むしろそれがゴール。

社会福祉に向き合う・考えるなんて高尚なことはやっぱりできないまま資格を取ってしまった。

資格が取れたタイミングと育休明けがほぼ同時期で、職場復帰してどこまで頑張れるか考えてみようと思っていたし、大好きな職場だったからできれば続けたいと考えていた。だけど私の産休中に職場は実質の事業閉鎖となっていた。再編や統合の話も少しあり、流動的だったけど再建に貢献したいと思っていた。

 

それが、なんとなく目処が立たない様子が見えてきて、このままだと違う部門に異動せざるを得ないとわかり、一人、また一人と職場を去っていった。IT企業だったけど信頼しているTechnical Officerも去ると知って、「この人いなくなったら良いもの作れないな」と思って、私も「辞める」に続いた。

信頼していた人や尊敬していた人はみんな、離れていってた。

 

そうしてようやく社会福祉士で生きていこうかなと思い至った。

決断までには時間もかかったし色々考えたものの、まあ今思うと割とカジュアルに辞めたな〜と思うし、転職してスルッと異業種に入ってしまった。

 

結果的に、高校や大学時代には全く想いを寄せられなかったこと、想像を馳せられなかったことがいくばくかはできるようになってる気がするのと、まだまだ足りないとしても興味関心を強く抱いて社会福祉における課題や現実と出会えている気がする。

 

気づかないでいることも、もしかしたら気づかないふりしているようなこともあるかもしれないけど。

 

その中で今、病院で働いている。医療の中に身を置きつつも医療者でもないし、いろいろな視点を廊下とんびできるような立ち位置が性に合ってるなと最近思えている。

 

本当は児相で働きたいとか児童養護施設で働きたいとかいろいろ考えていたことはあった。でも病院のワーカーでできること、考えられることもあるかなと思ったり。

 

今いる病棟は小児とは全然関係ないところだけど、だからつまらないとかモチベーションが上がらないということは不思議にない。

多分、「人が抱えている課題」に対してMSWはどう向き合うのか、付き合うのか、寄り添うのか、突き放すのか、いろいろな態度を考えさせられ悩むということには大きな違いはないからかもしれない。

障害を負った人が障害のことだけで悩んでいなくて、経済のこと、家族のことなどいろんなことに多重的に問題を感じて悩んでいる。

児童福祉の課題の中には経済問題、家族問題がセットで存在していることも多い。

一つのことをじーっと取り組んでいるようでも本当に日々、日々いろいろな事例に出会うしその度に「びぇ〜〜」と思いながら先輩方にお知恵をいただき、なんとかやっている。

 

ここにたどり着くまでにいくつもの職場を経験したけど、ここにたどり着いて良かったと思う。

良かったと思う理由はまた今度。