子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

アトピー性皮膚炎について思うこと。

2歳の頃、海に行って高熱を出したことがある。

それ以降、肌の赤みと痒みが消えず、アトピー性皮膚炎と診断されて3歳の時に1年間、卵と小麦粉断ちをした。

当時は「素朴すぎる味」のパンや味噌や醤油を使っていた(らしい)。

おやつに食べていた乾パンみたいなクッキーは覚えているけど、食パンや醤油の味の記憶はあまりない。

1年経って、少し落ち着いてから少しずつ食べる量を調整していたようだけど、小学校に上がる頃には食べ物の制限なくなんでも食べていた。

皮膚科はあちこちに連れて行ってもらった記憶があり、最後は父の同級生で皮膚科医の気さくなおじさんに長いこと見てもらっていた。

 

治療はどんな薬だったかさっぱり覚えてないけどステロイドだったことは確か。毎回、「たくさんつけると〜」っていう副作用の説明を受けていた。

おかげで今もって日焼けしない部分とする部分だとか顔の皮膚がものすごく薄くなっている感じとかがある。それでも普通の化粧水を使えて一日市販の化粧品を使ってもかぶれない程度には肌がキープされている。

 

大学生の頃、就活のストレスで肌がものすごく荒れたことがある。近医で評判の非ステロイド治療をしてくれる皮膚科にも何度も通っていた。

夏が過ぎ、秋、冬に差し掛かる時期になっても治らず、ある日皮膚科を変えて大学近くのクリニックにかかったら今までの悩みはなんだったのか?というほど数日でぴったりと炎症が治ってきれいになった。

それ以来、途切れつつも同じ皮膚科でずっとお世話になっている。先日息子を診てもらったのもその先生だ。

大学時代から考えると15年くらいの付き合いになる。

かかり続けてることにも驚くけど、腕の良さにも相変わらず驚く。

その先生が処方してくれる薬もステロイド薬。

昔と違って含有量も少し変わってたり非ステロイドのいい薬もでてるのだろうけど、この40年近い経験からアトピーの薬は湿疹が出てればステロイド薬に限ると思っている。

痒い。とにかく痒いって時に己の免疫だとかなんだとかはあまり関係ないというか意味がないというか。今、今日、今夜明日の痒みをブロックしたいだけだから。

だから、夜お風呂上がりにきちんとステロイドを塗ってよく寝る。

 

これで毎度悪化しそうなアトピーを制御してきた。

 

時々、非ステロイド信奉とかその手の医療「的」なものが跋扈しているのが本当に心配になってしまう。特にお子さんに対する治療として標準治療を選択しないことは医学の否定ではないか?と思ってしまう。

 

なので、息子の喘息も発作が頻回だったときはかなりガッツリとステロイド吸入薬を使っていた。

今元気なのはそのおかげだと思っている。

アトピーの経験上からも非ステロイドとかで頑張って治そうとするとかえって悪化させてしまったり具合悪くなってしまうこともある。

自分に合う治療=きちんと治る、ということだと認識しているし、「治る」ということに向かって何度も薬を変えたり量を変えたり細かくみる先生が「いい先生」だと思っている。

そういう先生に出会えることもすごく大事だし、治療において標準治療を否定してそれ以外に頼ることは得策ではないと思う。

アトピーで重症皮膚炎なのにまともな医師に診てもらってないお子さんのことを時々ネットで見ると胸が痛んで仕方ない。