子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

新型コロナ(と)の14日間戦争

この冬、勤務先の病院はとんでもないことになっていた。

ある日、体調不良のスタッフがいて検査をしたところ、陽性の判明→濃厚接触者の洗い出しと全数検査。

翌日、やっぱりすべてのスタッフ・患者が検査します!ってことで私も検査を受けることに。

まあ、みんな元気だし大丈夫でしょう〜っていう見立てが一番甘かった。

ここで患者さんとスタッフから数名陽性者が。

患者さんはもう何ヶ月も病院にいるから絶対に持ち込んでない。すなわちスタッフを媒介した院内感染。

再度、「全患者とスタッフが陰性」って確認をすべく潜伏期間を考慮して再度検査。

 

このときになぜか私ともうひとりのスタッフが再検になって強制送還(自宅待機)となった。

晴れて午後には陰性確認ができて出勤したけれど、目まぐるしく吐きそうな一日だった。

何より、PCR検査を受けることのプレッシャーとストレスはきっと病院関係者じゃないとわからないと思う(あと、学校とか施設の従事者とかね)。

病院の機能停止をせざるを得ず、誰のせいでもないし、責められない話だけど、それでも自分で自分を責めてしまうメンタルに、検査中は苛まれた。

 

結果的にこのときにもスタッフからまたも陽性者。

もう年末で色々と手の施しようがないというか。

この先に陽性者が出るのか。出ないのか。出ないって信じて祈るしかない。

そしてまた潜伏期間を考えて再度(3回目!)の検査。

 

このときは全員陰性を確認できて私たちは正月休みに入った。だけど、この先このストレスを日々抱えながら生活していくことに変わりはない。

 

コロナで医療崩壊なんて起きないとか、問題ないとかほざく人がいるけど、私からしたら「ほざいている」としか言いようがない。

もう戦争にも近い臨戦態勢というか標準予防策では到底追いつかなくてゾーニングしたり感染対策をとったり。

この問題は、単純にスタッフと患者が何人感染したという話ではなくて、その背景に濃厚接触者は自宅待機とか陰性で有症状の人は休みに、とか対応策を取らねばならなくて常時欠員状態だったこと。

幸い、うちの病院は法人がそこそこの規模だから応援も来てもらえたし、患者さんもうちのコロナ病棟に移せたから良かったけど、でもその方が無事に帰ってこられる保証はなくてつらい年末を迎えている。

 

できることは、適切な治療を受けられるように連携の役割を微力ながら果たすこと以外ない。

診療科が違えば医師とて自分の患者を他の先生に委ねていくしかない。

自分の心は騒いでざらつたけど、先生が奮闘してくれたことが心強かった。

 

年末はひとまず陰性で迎えられたけれども、終わりなきって感じだ。

今日は大晦日

息子が父親のところに遊びに行ってたけど帰ってくる。

私の病院のことも伝えていたし、人と会わないように、この冬は二人でなるべく過ごしてと伝えていたけど、盛大に親族を招いていて、心底イライラしている。

言って分かる人じゃないってわかってるし、言ってもこのざま。

だから離婚したんだよな、とこういう無理解の中で自分の答えが正解であったことを再認識させられている。

世の中には勤務先がクラスターでも医療崩壊気味でも知らんがなって人もいるかもしれないけど、どっちかというと過剰に責任を感じるタイプだから私には無理。

 

うちの病棟がこんななってて、普段なら入退院ふつうにすすめられるはずができず、急性期病棟は飽和してとっくに患者さんがあちこちに離散している(外科入院の人が内科の一部に行くとか)。

ベッドが押し出し、押し出しで新規患者(要は救急)を受け入れる余地をなんとしても作りたいけど、かなり無理な状態になっている。

これでも「都心の病院はベッドに余裕ある」とか病院勤務者でもない人が書き込んでいて、本当に不思議だわ。