小さい頃に住んでいた町に行ってみたいなとずっと思っていた。だけど、子どもが小さいと行きにくいと思っていて、今年ようやく子どもたちがちゃんと歩いてあちこち行けるようになったから行ってみた。
コロナのこんな状況で出かけるなよと言われそうだけど、飲食も店では取らないし、マスク着用だし許容範囲だろうと踏んでのお出かけ。
行った先は、千葉県千葉市だった。その昔は政令指定都市じゃなくて、私の小学校時代に「花見川区」とか「磯子区」とかできた。私が住んでいたのは、花見川区。
バスに揺られて15分ほどしたところに、一番栄えていた商店街があったから、まずは底に行ってみよう。
そう思ってバスを降りた。
人がいない...。だけど、団地には洗濯物がはためいていて、ひとが住んでる気配はある。
活気のあるはずの午後に商店街に降り立ったら、こんな感じだった。
「お買い物中の皆さん〜!」と流れる機械的な放送がやけに響いていて、シュールだった。お買い物中の人は私一人しかいないし、やってる店はなかった。
この通りにあって、喫煙OKで親友のお母さんが常連だった「モンパルナス」っていう子どもが入れない喫茶店も、すっかりなくなっていた。
この商店街の反対側にあった小売市場ももうただのスーパーになっていた。
ファンシーショップは奇跡的に健在だったのと、クリーニングショップはお客さんがいたのも救いだった。
でも絵に描いたようなシャッター街。
出身の小学校も健在だったけど、アスレチックは取り壊されていて、この校庭の遊具のキング的存在だったのに、ただの「山」になっていたのはがっかり。
あと、みんなが通っていた幼稚園は、春なのでやってるかどうか不明だったけど...。
壊れた遊具はそのまま、自然と遊具の一体となった姿とか、目を瞠る。
これは危険、と親の本能が言っていた。
反対に、保育園は栄えていたから、ここのあたりに住む人も働きに出ていて保育園は区立でもあるし経営が成り立つのだろうけど、昔よりも幼稚園は大変なんだろうな。
複雑な思いで去った。
小さい頃に夕方まで遊びまくった公園があって子どもたちと公園に移動。
ここは何一つ変わっていない。昔から人はいないし畑はあるし桜はきれいだし、当たり前に思っていた景色。
だけど都会の狭い空間に慣れすぎていて、とにかく道が、長い!
学校の半周がとてつもなく長い!
公園には人がぱらぱら。
思い切り子どもたちは走り回って遊べて、相変わらず良い公園だった。
そこから実家のあった場所を訪ねてみたり(ピンポンは当然してない)、通学路を通ってみたりしたけど、子どもたちの圧倒的な少なさ(団地の中の公園で子どもが遊んでない!)や小さな商店が潰れていたりと時代の流れを感じさせられた。
大人になった今、あそこに住みたいか?と言われると…。無理だなと思う。
通勤が大変すぎてよく父はこの道のりを通ったなと驚く。車があることが前提なのだろうけど、車の運転もリスクだし、何よりも電車が来ない!
すごく待つ。遊びに行ったからいいけど通勤となるとストレスになっちゃうだろうな。
仕事の内容とか、車通勤とかだと、また全然違うんだろうけど。
だけどいい公園がいっぱいあって、家は広くて道も広くて、不便だけど悪くないのかもしれない。