子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

こがねむしとこどもたち

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朝、家を出たら玄関前に一匹の虫がいた。

ゴキブリ??じゃない。

カブトムシでもクワガタでもない。

息子は朝からご執心で「むしさーん。おうちがわからないの?ママが心配してるんじゃない?帰れる?」と一生懸命話しかけている。

保育園に行く時間が差し迫っており「また帰ってからにしよう!」と急き立てたところ「じゃあこれ」と大事にしていた石をあげようとしたところ、石を置いていた手すりから石がマンションの下にあっけなく落下してしまった。

「むしさーんごめんね。行ってくるから待っててね」と言い残して保育園と向かった。

行く道すがら、上げる石を拾いながら。

 

その夜、コガネムシは家の前から姿を消していて、「まあ家に帰れたのかもね」と子どもと話していた。

その翌朝、またコガネムシが登場。

だけど微動だにしないし、死んでるのかも。

そしてさらに翌日、またしてもコガネムシ

子どもたちも放っておけないようで、朝から水やら果物やらをあげてみていた。

 

反応はいまいちだったけど、水は飲んでくれていた。

 

そもそも、コガネムシとは知らず、管理人さんが通りがかった時に教えてくれたのだけど、育てるほど人気がある虫でなくても、いつも我が家の前にいて動いたり止まったり、のそのそとしていると、なんとなく気になってしまう。

先日、柳美里さんの「飼う人」を読んで以来、小さな生き物を飼うことの無限性を時々思うのだけど、子どもと虫との他愛もない関わりは、なんだか「今」「今日」しかないすごく大切なやりとりだった気がする。

 

子どもは時としてすごく残酷なことを小さな生き物にするけど、ものすごく優しさに溢れた関わりをする場面もある。息子はとくに小さいもの、弱いものを大事にしようと思う傾向があるようで、その気持ちを大きく育ててほしい。

 

まあ、結局、コガネムシは怖くて触れず、話しかけてるばかりではあるんだけども。野生の虫は触られるよりもその程度の距離感がちょうどよいとも思う。