子どもと暮らす日々のブログ

病院で働きながら子どもと生活する日々を書いています。

良い病院、良い医師とは。

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今の病院に勤め始めて2年以上が気づけば経過した。まだまだ短い。

ひどい部署もあるし、やっぱりどこの世界も完璧な世界はない。それでも良心的な人が揃っていて、全体的に良い人たちが多いところだなと日々感じている。

そして良い病院とは...ということを度々考えさせられている。

 

この仕事をする前まではなんとなく、有名大学はすごいというか、名前だけで「いい病院なのでは」と思っていたけれど実際に病院で働いてみると様子は違った。

日本とは思えない完全なるヒエラルキーが存在しているなどして、良い病院、良い医師は有名病院かどうかは関係あるのだろうか?と疑問に思うことも多くあった。

とくに急性期治療を終えたあとに転院してくる病院だったから、患者さんの容態が安定していることが前提のはずなのだけど、トラブることは珍しくない。なのに、急性期に戻そうとすると断られるとか受け入れ拒否的なことって珍しくなくあった。

一つには、相談しているこちら側の医師の問題、一つには相談先のスタンスや医師の問題。両方あったのだろうと思う。

 

必要な治療があるのに待たされる、受け入れてもらえないって、患者さんにとっての不利益である。

そういうことって許されて言い訳がない。

そんな怒りを前に勤めていた病院では度々感じていた。

 

さてさて、最近運ばれてきた患者さんは、最初全く違う都心の大学病院の外来にかかっていた方だった。

そこの病院の外来医師が「おや?」と患者さんの症状に違和感を抱いたのが始まり。各種検査をして、疾患の疑いを突き止めて、院内コンサルもかけて最終的に当院の医師とのつながりがあってご紹介くださったという流れだった。

なんてすごい先生なのだろう。こういう先生がいるから人の命って救われるんだな、というのを間近で見た気がした。

素晴らしい先生ってまず症状や臨床経験、経験のないことをもとに何かを疑い、きちんと疾患にたどりつけること。

今回、当院の医師もすぐに受け入れたのだけど、やるべき治療はこれとこれ。息を吸うように先生の鮮やかな指示のもとで治療が進められているし予後予測もすでに立っている。

そういう診療体制を持っていたり、医師を抱えている病院がいい病院である。そのことは間違いない。

診療体制ということの中には、看護ケア、手術のできる機器、検査体制などもあるし、それをフルに使える医師がいるかどうかがやはり大きい。

 

病院は、医師で成り立っている。医師はコメディカルなしには働けない。みんなが各パーツで一つの体をつくっているのだということをつくづくと思う。

 

今の病院は地域の小さな病院だけど、かつて勤めていた巨大な組織の病院やその周辺にあった大病院よりもずっとずっと、信頼できる。

目の前の患者さんに向き合って命を救ってその後の生活も安定できるように整えて...。良い先生って存在しているし、今後もそういう病院であってほしい。